僕の夏と冬とすっぽんぽん

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冬は寒くて嫌になっちゃいます。

昔、僕は夏か冬かどちらが好きかと聞かれたら自信を持って冬と答えていました。

でも今は夏の方がマシかもしれないなーと日々感じています。

 

昔の僕の考え方はこうです。

寒いだけならいくらでも着込めるのだから対策のしようがあるけれど、暑いのはすっぽんぽんのすっぽんぽんち、からは脱ぎようがないのだから対策にも限界がある。

ましてや日常的にすっぽんぽんになんてなれないのだから実際のところ限界はもっと近くにあるであろうがこのやろう。

これが僕の主張。

 

その考え方自体は変わってはいないけれど、最近は暑いことよりも寒いことの方がよっぽど辛く感じています。

その辛さは例えば入浴時などによく感じます。

夏はすっぽんぽんで限界ぎりぎり僕のお望み通りなわけですが、冬は対策の真逆となりて、凍てつく波動の如く寒さが骨身に沁みます。

冬はまさにモンスターです。

正体は冬将軍かもしれません。

 

どうして昔は同じように感じなかったのか。

多分感じていたのだろうけれど、僕の夏冬良し悪しの基準は「自転車通学」にあったように思います。

通学だけに留まらず、10km以上離れた場所にだって迷わず自転車で行っていた僕は、要するにどこに行くにも自転車で、自転車は相棒のようなものでした。

 

ただ、自転車を漕ぐという行為はご周知の通り疲れる。

どうして疲れるのかは言わずもがな、運動にあたるからですね。

運動するとどうなりますか、そうです、体が熱くなるんです。

 

ともすると、夏はとにかく暑いのです。

体が熱くて暑いのです。

だから、目的地に着いた瞬間、それまで感じていた風を感じられなくなり汗がダラッと一気に流れ出す。

風になびかれた上に汗でびちゃびちゃになった僕の顔面は、おめかしなんてのは全く意味をなさない(そもそもしてないわけだが)。

 

そうするとどう感じるか。

着込める冬の方がまだマシだな、と感じます。

しかも自転車を漕ぐという運動をするのだから、体は自ずとぽかぽかになる。

ぽかぽかにすることもできるし、ぽかぽかになることもできる。

これが僕が自転車野郎時代に冬に感じていたことだったのです(今ではすっかり車移動)。

 

さて、小学生にまで遡るとどうでしょう。

冬は雪が降り雪合戦だってそり滑りだってできるんだ。

クリスマスになればサンタクロースが来るし、正月にはお年玉だってもらえる。

極め付けに僕の誕生日だってあるんだから、プレゼントが余計にあってなお嬉しい。

冬はお楽しみなことが目白押しだ。

 

他方、夏は海やプールで泳げることと虫捕りができることくらいが楽しみか。

まあ夏休みがちょっぴり長いけれど、その分大量の宿題があることを加味すると、うむ、やっぱり冬の魅力には到底敵わないよね!

と思っていました。

 

この時はまだ暑いとか寒いとかは基準に入ってはいない。

純粋な季節にある面白味に価値を見出していた頃であり、僕がまだ世界を知らない頃の話。

 

そんな風に振り返ってみると、随分つまらない大人になってしまったなーと思わなくもありません。

暑いの寒いの何のその、今だからこそできる目の前のことに集中できたらいいのだけれど、どうにも億劫です。

これではいけない。

 

これが春だったらなー、これが秋だったらなー、なんてくさくさしてたのでは時間がもったいない。

楽しめることも楽しめないのだから、そんな毎日の人生はまあつまらない。

楽しいことが目白押しだったら、全体を通しても楽しく感じられそうなものです。

 

隙間なく、淀みなく、くまなく、そして抜かりなく。

 

ぎちっと面白味の詰まった玩具箱のような人生が良きかな。

 

かなかな。

 

おしまい