人類共通のやる気の起こし方
今週のお題「やる気が出ない」
今日は初めて「はてなブログ」の「お題」について書いてみようと思います。
上にも書いてありますが、お題はズバリ「やる気が出ない」です。
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あれは僕が中学2年生のときです。
僕の学校では「校内弁論大会」なるものが催されるのですが、恐らくほとんどの学生と同じく、僕は何を書くか頭を大変に悩ませていました。
「つーか弁論ってなによ」
そんなレベルなのだから、そもそも何に関して頭を悩ませてるのか自分でもよくわかっていません。
かと言って「弁論」というものを深く理解しようという気概もないのだから、一向に筆が進まない。
リビングっ子だった僕は、食卓テーブルに雑に広げられた原稿用紙の前で、途方に暮れるのでした。
すると、家事をしていた母が見かねて言いました。
「『モーションがエモーションを生む』という言葉がある」
「悩んでないで、なんでもいいからとにかく書いてみなさい」
「そしたら気持ちは後から付いてくるから」
僕は思いました。
「これだ!」
母のその言葉をネタに、僕は一気に弁論を書き上げて、それを武器に弁論大会に臨むと、なんだか知らないけれどクラス代表に選ばれ、あれよあれよと全校生徒の前で発表することになります。
そして何人かの3年生の代表を差し置いて、僕は優秀賞をいただくに至りました。
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『モーションがエモーションを生む』
この言葉は駅伝の指導をしていた先生に豪く気に入られ、駅伝の練習中に何度も口にされたそうです。
更には僕の知らないところで隣の中学校にまでこの言葉が伝わったそうですが、それがどの程度の影響であったのかは定かではありません。
なんにせよ、「モーションがエモーションを生む」という言葉は、いろいろな人の心に響いたのだと思います。
だからこそ優秀賞をいただいたし、先生に気に入られたし、他校にも伝わったし、何より僕自身のネタにもなったのでしょう。
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「モーションがエモーションを生む」とはつまり、行動が感情を生むということです。
感情で動くのではなく、とにかくまず動く。
そうすると気持ちは後から付いてくるよ、と。
例えばおうちでお手伝いを頼まれたとき、やる前はめちゃくちゃ面倒臭かったんだけれど、やってたらなんだか楽しくなってきてついつい丁寧にやってしまった、なんてことはないでしょうか。
ちょっと掃除するつもりが隅々までやっちゃった!とかそういうの。
あるいは、例えばウォーキングを習慣化したい場合、ウォーキングに行く前が一番面倒臭いと思うんです。
その段階では気持ちが乗ってないですからね。
でもそれをなんとかして自分に靴を履かせて外に出させてみると、行く前の面倒臭さが嘘のように気分が乗ってくる、という具合です。
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さて、この言葉を僕に教えてくれた母はきっと知らないと思いますが、実はこのモーションがエモーションを生む現象、100年くらい前から話があるそうで、精神科医のクレペリンさんはこれを「作業興奮」と呼んだそうです。
そしてこの「作業興奮」、最近の脳科学の研究でメカニズムが判明しているんだとか。
具体的には、脳にある「側坐核(そくざかく)」という部位の神経細胞が活動するとやる気が起きるんだそうですが、その側坐核はある程度の刺激がないと活動をしないのだそうです。
そのある程度の刺激とは「5分の行動」。
つまり、とにかくまずは5分行動してみよう、ということです。
そしたら脳科学的に確認されている何かしらのケミカルな活動が起こって、脳は本当にやる気を起こすのだ(ということらしいです)。
母の言葉は、根性論などではなく、科学的に証明されたのでした。
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しかしながら、そんなこと言ったってやる気がないんだから行動に移せないんだからやる気が起きないことには行動に移せない僕は一生やる気なんて起きないんじゃん?という人もいると思います。
そういう人にアドバイスですが、何か自分なりの「やる気スイッチ」なるものを用意するといいかもしれませんね。
例えばウォーキングをしたいのなら、運動を頑張ってる人の動画を見るとか。
勉強したいのなら、頭の良い人の本を読むとか話を聞くとか。
楽器の練習をしたいのなら、演奏動画を見るとか音楽雑誌を読むとか。
なんでもいいんですが、関連する何かをきっかけに「自分も頑張らねば」と思えるものを用意しておくと便利かと思います。
そういった意味では、スポーツが好きな人の部屋の壁に憧れの選手のポスターとかが貼ってたりすると思いますが、あれは結構理に適ってるのでしょうね。
携帯電話の待ち受け画面を変えるとかもいいだろうし。
そんな風に、本気で何かをやりたいと思ってるのなら、身の回りのものから変えてみるというのも一つの手かもしれません。
そしたらあとは動くだけ、ってね。
ぐっどらっく。
おしまい