ご飯を食べるのが遅くて悩んでる君へ

誰かとご飯を食べに行くと、大抵僕よりも早くにその人はご飯を食べ終わります。

それは割と誰だってそうなんだけど、その度、なんだって君はそんなにご飯を食べるのが早いんだ、なんて思うのですが、あとから来たお爺さんが僕よりも早くに食べ終わるのを見て、ああ君が早いんじゃなくて僕が遅いのか、ということに気が付きます(もちろん「君」が早い場合もある)。

僕だってまだまだぴちぴちの30代、若いもんには負けてられんわい!(グキッ)ってなもので、おじいさんよりも遅いのはさすがに遅すぎるんだなあ(みつを)なんて思うわけですが、いや、遅く食べることにだってメリットがあるんだよ、むしろ早いのよりも良いことなんだよ、ということを声を大にして言っておくことによって自尊心を保ちたい。

でも声を大にして言うと近所迷惑なので、筆を執り、文章にて、静かなる革命を起こす思いでありんす(おほほほ)。

 

まず食べるのが遅いというのはどうして起こるのかと言ったら、食べた物をたくさん噛むからでしょう。

もちろん口の中で飴のように舐めまわすアメラーも中にはおられると思いますが、僕はよく噛んでから飲み込む、生粋のかじり虫タイプです。

よく物を噛む、そうするとどうなるかと言ったら、食べたものは砕かれ、柔らかくなり、消化しやすくなります。

消化しやすいとつまり胃の負担も軽くなります。

 

そもそもとして「食事」というのはエネルギーを使うものです。

分かりやすく数値化すると、食べた物によって得られるエネルギーが10に対して、消化に使うエネルギーが8だったならば、残るエネルギーは2です。

「腹持ちがいい」なんて言われる物もあると思いますが、それはつまり消化に時間が掛かるということなので、それだけエネルギーはより多く持っていかれるものなのだと勝手に解釈しています(実際はわからない)。

 

(そんな物はないとは思いますが)理想は10取って1で消化する、でしょう。

そしたら残るエネルギーは9です。

この消化に使うエネルギーを極力少なくしたいのであるならば、よく噛んで、砕いて、柔らかくすることが大事だろうもん、そしたら消化しやすくなるのだから、というわけです(なおここでは便宜上噛むエネルギーは考慮していない)。

そして、よく噛めば自ずと食べるのは遅くなる、という話。

 

そうして食べるのが遅くなった暁には恩恵があります。

どんな恩恵かというと、食べる量を比較的抑えられる、という恩恵です。

それはどんな風にして達成されるものかというと、ご存じ、人には満腹感を脳に知らせる「満腹中枢」と呼ばれる神経がありますが、この神経は食事をしてから15分~20分後に刺激されると言われています。

そうすると、食べるのが早い人は満腹中枢が働く前に食べ終わっちゃうので「何か物足りない」という気持ちになりやすく、食べるのが遅い人はなんなら食事中に満腹中枢が働き出すので「お腹いっぱいになってきた」という気持ちになりやすい。

 

前者は替え玉を欲し、後者は完まくしない(傾向にある)。

 

それはつまり、同じ量を食べても食べ方ひとつで感じ方が変わる、というわけです。

ならばやって損はないでしょう、と。

人によってはダイエット効果があるかもしれない。

 

一方、デメリットもあります。

例えば人を待たせること、熱々の料理が冷めること、冷え々々の料理がぬるくなることなどが挙げられます。

食事は喉ごしでも味を感じていると言われているので、よく噛んじゃうと(そういった意味での)味が損なわれるなんてこともあるでしょうか。

固形のまま飲み込んでこその食事だろう、というコケラーもいるかもしれません。

 

しかしながら「食事」を何と捉えるか。

人それぞれでしょうが、僕は健康上の理由以上にゆっくりしっかり落ち着いて食事をしたいんだなあ(まさし)なんて思うものです。

 

頂きまして、ご馳走様なのです。

一口ほお張り、じっくり味わいたい。

 

美しい味と書いて美味なのです。

それは違う話でしたか。

 

ともあれ、遅くたっていいじゃない、ということなのでした。

 

お粗末様でした。

 

おしまい